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Erik Satie (エリック・サティ)についてまとめています。

エリック・サティ うぬぼれ少女百貨店


サティ的コラム

曲名 日本語訳の比較


ここでは、サティのピアノ曲の曲名の日本語への訳し方を比較しています。
管理人はフランス語はわからないので、日本語訳同士の比較となっています。
風変わりな曲名で有名なサティ。日本語に訳すのもなかなか骨が折れるようです。

それぞれ一番上の表記(「
」付きのもの)が当ホームページで採用しているものです。


ひからびた胎児

多くは「ひからびた胎児」となっています。ドレミの全集(楽譜)では「乾燥胎児」という、江戸川乱歩あたりの怪奇小説のタイトルにありそうな言葉。…まあ、「ひからびた胎児」でも十分奇怪なのですが。

1曲目のタイトルは「なまこの胎児」で統一されているからいいものの、2曲目3曲目のタイトルは日常では使わない単語な上、CDや楽譜によりまちまちで非常にわかりにくいものになってしまっています。

チッコリーニやティボーデは
「U.甲殻類の胎児」「V.柄眼類の胎児」

ドレミの全集(楽譜)や高橋悠治は
「U.無柄眼類の胎児」「V.柄眼類の胎児」

無柄眼類に柄眼類…特別な知識がないと何のことを言っているのかわかりませんね。「動く柄に目がある甲殻類」で、前者はそうではない甲殻類だそうです。

なので「甲殻類の胎児」と訳すよりは「無柄眼類の胎児」と訳した方がバランス的にもよろしい気がします。柄眼類だって甲殻類ですので。ただし、柄眼類と無柄眼類という分類の仕方は現在では使われていないという説も。となると、ますますどう訳すか難しいところですね。

ちなみにこの曲の「柄眼類」は蟹か蝦のようです。楽譜中の書き込みに「風味豊かな」とあることからです。 


でぶっちょ木製人形へスケッチとからかい

「木製の太ったおじさんの素描と挑発」(ドレミ全集(楽譜))
「太った木の人形のスケッチとからかい」(ティボーデ、アントルモン)

訳によってけっこうイメージが変わってくるのではないでしょうか。「太った木の…」の方が即物的でサティの曲名としてはふさわしいと言う人も多いかもしれませんが、私はあたたかみのある「でぶっちょ…」の方が気に入っていて、このホームページでもこちらを採用しています。

各曲については…1曲目と2曲目については特筆すべきことは無し。3曲目は「エスパニャーニャ」となっていたり「スペイン」になっていたりするのですが…ここは迷うことなく前者を採用したいところ。「スペイン」なら「エスパーニャ」です。「エスパニャーニャ」ではありません。サティがあえて造語である「ESPAN[~]AN[~]A(エスパニャーニャ)」をタイトルに採用したのですから、日本語に訳すときも造語のままにした方が良いでしょう。


犬のためのぶよぶよした前奏曲

おかしなタイトルのサティの曲として、真っ先に挙がるもののひとつがこの曲ではないでしょうか。そのせいか、多数の訳が生まれそうなオノマトペ「ぶよぶよした」を含んでいる割りに他の訳はほとんど見当たりません。

高橋悠治は「犬のためのだらだらした前奏曲」としていますが…このお方は「自動記述」を「自動描写」としたり、「スポーツと気晴らし」を「スポーツとあそび」としたり、「最後から二番目の思想」を「最後のひとつまえの思い出」としたり…あえて普通の訳を避けている感が否めません。

他に「しまりのない」という訳もみたことがあります。


キザな気取り屋の3つの高雅なワルツ

いやな気取り屋の3つのワルツ(ティボーデ)
嫌らしい気取り屋の3つの高雅なワルツ(チッコリーニ)
気むずかしい気取り屋の3つの高雅なワルツ(ヴァルサーノ、アントルモン)
気むずかしいしゃれ者の三つのお上品なワルツ(高橋悠治)

…これは割れましたね。フランス語がわからないのでいまいちニュアンスがつかめないのですが…日本語だと「キザな」「いやな」「嫌らしい」「気むずかしい」は全然意味が違うと思うのですよ。完全に当てはまる日本語は存在しないとしても、一番近い訳を選択するとしたらどうなるのでしょうか。気になるところです。

作曲した時期から見てラヴェルの「高雅にして感傷的なワルツ」への皮肉らしいです。


聞き分けのない悪ガキ

「聞き分けのない悪ガキ」(ドレミ全集(楽譜))
「横着でけちんぼうでろくでなし」(ティボーデ)
「腕白もののいたずらっこ」(チッコリーニ)
「いやないたずらっこ」(ケルメンディ)
「横着者のちいさなろくでなし」(エリック・サティ覚え書(書籍))
などと様々。

個人的には、子供のための曲集なのに「ろくでなし」という言葉を使うのはどうか、と思いますね;。
「いたずらっこ」という言葉のもつイメージとの差が大きすぎます。


ジュ・トゥ・ヴ

あなたがほしい
あんたが欲しいの(エリック・サティ覚え書(書籍))
ジュ・トゥ・ヴゥ(高橋悠治)
あんたがほしい(チッコリーニ)
きみがほしい(アントルモン)
おまえがほしい(ドレミ全集(楽譜))

このホームページ上では以前は「あなたが欲しい」と表記していましたが、音楽仲間と話していて「ジュ・トゥ・ヴ」を使う人が圧倒的に多いことがわかりましたため、こちらを採用することとしました。(2010年9月より)

(サティに珍しく)単純な曲名なので、フランス語のままか日本語に訳すかどうかか、二人称の訳し方にしか違いは表れないわけですが、有名曲なのでとりあげてみました。



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