Erik Satie (エリック・サティ)についてまとめています。
■サティ的コラム ●他人の曲からサティの曲へのパロディについて サティは、時にはユーモアのため、時には皮肉のために、他人の曲から自分の楽曲へパロディ的要素を取り入れることが多くありました。 それらをまとめて紹介するのがこのコーナー。 クレメンティやショパンの曲からのパロディは有名ですが、他にもいっぱいあるようです! 以下に列記します。
他に でぶっちょ木製人形へのスケッチとからかい「トルコ風チロルの山歌」は、モーツァルトのトルコ行進曲をモチーフにしている。 メデューサの罠第7曲は、ヤンキー・ドゥードゥル(邦題:アルプス一万尺)が示唆されている。 等の指摘もあります。 この中では、「官僚的なソナチネ」と「ひからびた胎児 無柄眼類の胎児」が有名です。 官僚的なソナチネはそのまんま「サティ風クレメンティソナチネ」と言ったような雰囲気の曲で、曲中には「隣のピアノがクレメンティを弾いている。なんて哀しいんだろう。」などという書き込みもあります。アカデミックなピアノ教育で必ずと言っていいほど採用されるソナチネの練習を皮肉っているのです。 干からびた胎児の無柄眼類の胎児では、上記のようにショパンの葬送行進曲がパロディされているのですが、曲中の書き込みは「シューベルトの有名なマズルカの引用」。引用元が違うどころか、そもそもシューベルトはマズルカを1曲も作っていません!皮肉というよりはサティ流ユーモアが光る1曲でしょう。 そして、本日休演に引用されている学生歌「赤カブ売り」に「カデ・ルーセル」。残念ながら私(当HP管理人)はどのような曲か存じておりません。ただ、当時は今以上に「クラシックは高級でありがたがられるべきモノ」という風潮があり、いきなり学生歌のフレーズが出てきたのを聴いた聴衆は「けしからん!」ということで大騒ぎになったそうです。勿論、サティはそういった反応を予期した上で敢えてそのような曲を作り、問題提起をしかけたのでしょう。サティの反アカデミズムがわかる良いエピソードだと思います。 2016年1月31日追記 「エリゼ宮の晩残」というマニアックな歌曲がフランス国家をパロディしていると思われるため、追記しました。なお、文献等の記述ではなく当サイト管理人の判断によるため、間違い等もあるかもしれませんが、ご理解お願いいたします。もしかしたら、楽譜や(ほとんどCD化されていませんが)ライナーノーツあたりで言及があるかも? |