Erik Satie (エリック・サティ)についてまとめています。

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サティって誰?

エリック・サティ( 本名:エリック=アルフレッド=レスリー・サティ(Eric-Alfred-Leslie-Satie))は、19世紀後半から20世紀前半を生きたフランスの作曲家で、音楽史上、どこにも類縁を持たないなどと言われています。

反骨精神たっぷりの人で、当時主流であったロマン派やワーグナー主義に真っ向から反対し、また主流になりつつあった印象派に対しても反主義をつらぬいていました。

世俗的なものに興味が無い根っからの芸術家で、風変わりな逸話が数多く残されています。例えば、作曲を依頼されるに当たり、その報酬が高すぎるからと下げさせてから引き受けたり。当サイトに「
風変わりな言動」としてまとめておりますので、よろしければご覧ください。

また、おかしな題名の曲が多いです。それにつきましては次の「どんな曲を作ったの?」で。


どんな曲を作ったの?

無駄なものを極限までそぎとった、骨格だけの音楽、白い音楽などと良く表現されます。

『ジムノペディ第1番』という曲があるのですが、この曲を聴いてみたら正にそのとおりだ!と納得していただけるのでは、と思います。この曲は、題名を知らない方でもCM等できっと耳にしている曲です。

また、おかしなタイトルの曲をいっぱいつくりました。

『犬のためのぶよぶよした前奏曲』『最後から二番目の思想』『(正午の)朝のたそがれ』『干からびた胎児』『輪回し遊びの輪をとるために彼の足の魚の目を利用すること』『いつも片目で眠る見事に太った猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ』…これらの全てが曲名です。

また、題名だけでなく、曲自体、そして楽譜もかなり個性的。

小節線が無かったり、当時のコード理論を無視したり、フィナーレをこれでもか!というくらい執拗に飾ったり。指示も「自分自身とよく相談して」「歯の痛いウグイスのように」「シューベルトの有名なマズルカの引用」など、遊び心にあふれています。また、指示ではない詩的な文章が書き込まれている曲が多いのも特徴です。

そして、現代のBGMにあたる音楽の創始者とも言われています。

「家具の音楽」という、そこにあるけれど決して注意を払われない音楽…という概念を考え、実際に作曲しました。これは今でこそ当たり前なのですが、当時としては画期的だったそうです。

さらに世界一長い曲も作りました。
これについては、次の「世界一長い曲?」で。


世界一長い曲?

変わった曲の多いサティ。…というか、ほとんどが一般の作曲家と比べると変わった曲なのですが、その中でも群を抜いて奇抜なのが『ヴェクサシオン』という曲でしょう。

『ヴェクサシオン(vexation)』とは日本語で「癪の種」とか「イライラさせるもの」という意味で、サティの指示通り演奏すると、なんと!18時間〜24時間はかかってしまいます。これは最後まで演奏されたことがある曲では世界一長い曲で、トリビアの泉や携帯電話のCMでも取り扱われたことがあります。

この曲、実はリピート無しの一回は短く、1ページに収まるものなのですが、「840回弾くのは…」のような、まるで840回弾くことが前提のような書き込みがあります!

こんな曲ですが、ジョン・ケージというアメリカの作曲家がリレー形式で何人かで初演しています。日本でも数十年前に作曲家たちが集まり、完奏されました。トリビアの泉では3人で1時間ずつ交代で完奏してました…これはキツイですね!

実は管理人мιgeも10数人程度でリレー形式で完奏したことがあったりします。(これについては「
サティ的コラムヴェクサシオン完奏の感想」にまとめております。よろしければこちらもご覧ください。)

この曲、リレー形式では何度も完奏されているようですが、一人で弾ききった人はいないようです。チャレンジする人はいても、500数十回目から幻覚が見え出したりして挫折してしまうとのことです。



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